2012年2月28日火曜日

蘇る記憶とスーパープレイヤー


モーリス・アンドレMaurice André)が死去されたそうだ。
そこそこの年齢のトランペット吹きなら皆驚き、
どこか寂しく思っているだろう。
古典楽曲で沢山の演奏機会や録音があったので、
トランペット奏者以外にも案外クラシックに関わる人に
広く衝撃が走っているかも知れない。
若いトランペット吹きにはピンとこないかも知れないけれど、
これを機に沢山聴いて欲しい。

個人的な話だが、生まれて初めて買ったCDが中学生の時に買ったアンドレのCDだった。
アイドルでもJ-POPでも洋楽でもジャズでもなく、最初の一枚がアンドレ。
中学の吹奏楽部でなんとかTrumpetパートに残れて、上達したくて買ったCDだった。

もう、これこそトランペットだと思って毎日取り憑かれたように聴いていたw
ホントにこれでもかというくらい。
CDで良かった。
レコードやテープならすり切れて手元に残っていないだろうから。

2枚目に買った協奏曲集CDに入っていた「2つのトランペットのための協奏曲(Vivaldi)」を、
中学の部活のパート仲間と耳コピーして吹いていたのが懐かしい。
B♭管でw

今聴くと彼の音楽には特有のクセがあり、
何でも高らかに吹いてしまう(吹き上げてしまう)ので
好きなプレイヤーとは言えない。

けれどYouTubeなどで演奏映像を見るたび、
「トンッ」とツボに当たって全ての音がコロコロとストレスフリーで鳴りまくるの聴くと
「これはトランペットの演奏技術の頂点だなぁ」と改めて思うし、
好き嫌いを除いたら文句のつけようがない。
他にない演奏。

オーボエのコンチェルトなどを録音するなど、
旋律楽器としての地位を高めた最大の功労者と言っていい。
私の”最初の”憧れのトランペット奏者でした。
感慨深いものがあります。

ご冥福をお祈りします。

*沢山ありますが、YouTubeで絶句した演奏を1つあげるならコレ。

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